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2025/04/21

vol.2 「本質を捉えたデザインと、未来を見据えた建築」

ひかり工務店のデザインは、本質を大切にしながら、自然と調和する心地よい空間を生み出しています。
これからは住宅設計の枠を超え、新たな領域にも挑戦していく。

今回は、統括マネージャーの原田に、その想いや展望についてお話を伺いました。

ひかり工務店が目指す、未来の建築とは——。

〈略歴〉
1986年 岡山県生まれ
2011年 京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)大学院 修士課程 修了
2011年 設計事務所 入所
2012年 ひかり工務店 入社

〈賞歴〉
2010年 JACS 2010住宅設計コンペ 優秀賞
2011年 インテリアプランコンテスト 最優秀賞
2021年 JERCO リフォームコンテスト 新人賞
2023年 LIXILメンバーズコンテスト2022 準グランプリ

空間を生み出す視点 —— デザインの発想は経験から




デザインの発想は、無から生まれるのではなく、さまざまな要素に触発され、それを自分の視点で再構築し、形にしていく。

日常的にデザインや建築に触れることで、新たな刺激を得る。

その積み重ねが、やがてクリエイティブなアウトプットへと結びついています。

まず初めに、建築のデザインを考えるとき、
いきなり図面を描き始めるのではなく、まずは自身の引き出しを活用することが重要だと思います。

たとえば、旅行先で「このデザインは洗練されているな」とか、「この空間は心地よい」と直感的に感じた体験を積み重ねていく。

その蓄積が、お客様との対話や敷地条件を踏まえた
設計の際に、独自のアイデアとして引き出されています。

デザインの本質を見極める——表層を超えた創造とは

様々なデザインにどのように向き合うかは、デザイナーとしての成長に直結しますね。

たとえば、「〇〇風」などと言われる、表層的に模倣されたデザインにはあまり魅力を感じない。
しかし、そのデザインが誕生した背景や文化的コンテクストを深く理解することで、単なる模倣ではなく、「本質を捉えたうえで新たな視点」を加えられるようになり、デザインの歴史や建築家の思想を学び、多角的な視点を持つことが求められる。

モダンなデザインを学ぶことで、より広範な創造の可能性が開かれると思います。

ひかり工務店のデザインは、単なるトレンドの追従ではなく、「本質を重視し、可視化する。」

たとえば、建築家やデザイナーが緻密に設計したデザインには、明確なコンセプトと思想が宿っています。

それゆえに、表層的な模倣ではなく、オリジナルの価値観に基づくデザインを提案することが不可欠だと思っています。建築のジャンルに固執するのではなく、「確固たる思想やコンセプトが伴っているかどうか。」が重要で、私たちの特徴の一つとして、自然との共生を重視しています。

緑を効果的に取り入れ、外部空間とのつながりを意識することで、建築に生命力を吹き込むことも意識しています。


「都市の中に自然を——暮らしに溶け込む緑のデザイン」

日本の都市部では、最大限の床面積を確保するために、緑や外部空間が犠牲になりがちです。

しかし、ひかり工務店では、単なる居住空間としての家ではなく、「快適さ」や「豊かさ」を体感できる空間づくりを大切にしています。

自然の要素は、単に緑を配置することだけではなく、光の入り方や窓からの景観の取り込み方によっても、空間の質を大きく左右するので、たとえば、窓越しに山の景色が広がっていたり、一筋の光が
差し込むだけで、場の雰囲気が劇的に変わる。

「周囲の環境との調和を考慮する」ことが、
ひかり工務店のデザインの軸となっています。

また、今だけではなく、50年〜60年後の未来を見据えることも大切にし、時間の経過とともに、建築がどう変化し、どのように街や人々の暮らしに影響を与えるかを考えながら設計を進めます。

昨年手がけた、上記写真の箕面小野原モデルでは、「手が触れる距離に緑がある、街中暮らし」をコンセプトに掲げ、

借景との緑のつながりを大切にした設計にしました。

都市部においても自然を感じられる空間を創出し、住む人の心地よさを追求しています。

「住宅から新たな領域へ——広がるひかり工務店のデザイン思想

これからは、住宅設計の枠を超えて、店舗やホテルといった新たなデザイン領域にも挑戦していきたいと考えています。
ひかり工務店の思想を、より多様な空間に展開することで、新たな価値を生み出せるのではないか。

デザインの本質を見極め、自然や外部空間とのつながりを大切にしながら、より豊かな暮らしを創造する。

それこそが、ひかり工務店が目指す空間デザインの在り方であり、これからもその思想を軸に、進化を続けていきたいです。

・最後に

本質を見つめ続ける、その先にある未来へ——。

「デザインとは、形ではなく思想である」——そんなメッセージが、原田の言葉の端々から伝わってきました。
流行やジャンルにとらわれることなく、自然との調和を大切にしながら、“本当に心地よい空間”を追求する。
その姿勢は、住宅という枠を越え、これからの社会に求められる建築の在り方を示しているように感じます。

時代が変わっても、人の暮らしの本質は変わらない。
住宅の枠を超えて広がっていく、その想いと挑戦が、またひとつ、新しい暮らしの風景をつくっていくのだと感じました。

そして次回は、設計士・濱田による本紹介です。

次回の投稿は 5/5(月)になります。どうぞお楽しみに!