2026/01/26
vol.21 住まいを整えた、その先にあったもの。

住まいに、明確な理想があったわけではありません。
ただ、ふとしたタイミングで、
「今の暮らしのままでいいのだろうか」
そんな問いが生まれました。
営業として、広報として、日々“暮らし”を扱う立場にいながら、自分自身の住まいは、どこか後回しになっていたという二人。
今回話を聞いたのは、ひかり工務店でマンションリノベーションを経験した営業の川添(左)と、広報の清水(右)。
家族構成も、暮らし方も違う二人ですが、「住まいを整える」という同じ選択の先で、それぞれが感じた変化がありました。
住まいを変えたことで、暮らしは、そして仕事や価値観は、どのように変わっていったのでしょうか。
もともと、どんな暮らしをしていましたか?
清水:「長く一人暮らしをしていました。
暮らしに無関心だったわけではないけれど、
家は”寝に帰る場所”に近い存在でした。」
年齢を重ねるにつれ、
仕事での役割も少しずつ変わっていく中で、
「自分の成長と、暮らしの質が噛み合っていない」
そんな違和感を感じるようになったという清水。
こうして、マンションリノベーションを決意したそうです。
一方、川添は家族と賃貸マンションで暮らしていました。
川添:「約60㎡の空間に家族4人。
狭さを感じながらも、忙しさの中で”こんなものか”と受け入れていた日々でした。」
35歳を過ぎた頃、年齢的にも家族の成長的にも、次のステップを考えるタイミングに差しかり、昔からの夢であった「家を持つこと」に踏み出す決意をしたとのことです。
二人に共通していたのは、
「何かを変えたい」という強い決意よりも、
「このままでいいのかな」という、静かな問いでした。


マンションリノベーションという選択。
川添が暮らしていたエリアは、新興住宅地。
空き地が出にくく、土地探しからの新築は、現実的な選択ではありませんでした。
立地や価格、今の暮らし、そして家族のこれから。
それらを冷静に考えたとき、
「マンションを購入し、リノベーションする」という道が、いちばん自然に感じられたといいます。
その経験は、社内でも少しずつ共有されていきました。
それからしばらく経って、清水が自分の暮らしと向き合うタイミングが訪れます。
マンションリノベーションをすると決めた、そのとき。
偶然にも、川添が見つけてくれたのが、今のマンションでした。
条件を見た瞬間、金額も、立地も、タイミングも、すっと腹に落ちる。
清水:「見つけた四日後には、もう動いていました。」
そのスピードには、清水自身の行動力と、それを自然に後押しする川添の存在がありました。
同じ会社で、長く一緒に働いてきた二人。
マンションリノベーションという選択の裏側には、そんなささやかな連携があったのです。
進める中で感じた、「提案の幅」
施主として家づくりに向き合ってみて、二人が口を揃えて話したのは、「提案の幅の広さ」でした。
川添・清水:「自分たちの”こうしたい”を丁寧に受け止めた上で、そこから一歩踏み込んだ提案が返ってきて感動しました。」
お客様インタビューでよく耳にしていた「はまる」「想像を超えてくる」という言葉を、初めて“住む側”として実感した瞬間。
予算の中で、できること・できないことを整理しながら、選択肢をきちんと提示してくれる安心感。
打ち合わせは3~4回ほどで、ほぼ方向性が固まったそうです。
一見すると少し大胆に感じる提案でも、いざ形になったものを見ると、不思議と腑に落ちる。
「これだな」
そう思える瞬間が、二人には何度もあったと言います。


こだわったのは、「自分と向き合う時間」
清水が住まいの中で一番こだわった場所として真っ先に挙げたのは、洗面でした。
お風呂上がりのスキンケアや朝の身支度の時間。
それは単なる生活動線ではなく、自分に向き合い、整えるための大切な時間。
清水:「ここだけは妥協したくなかったんです。」
三面鏡、十分な収納、自然に手が伸びる配置。
自分のルーティンが無理なく成立することで、気持ちまで整っていく感覚があると言います。
こだわったのは、「仕事を嗜む、大人時間」
一方、川添のこだわりはバーカウンター。
リビングには子どもたち、ダイニングには奥さん。
そのすぐそばに、自分が落ち着いて過ごせる居場所をつくりました。
お酒を楽しみながら、少し仕事をしたり、考え事をしたり。
家族と同じ空間にいながら、それぞれの居場所がある。
そんな距離感が、自分の暮らしにちょうどよかったそうです。


住み始めて変わった、「整える」意識
川添がマンションリノベーションをしたのは5年前。
当初は「暮らしが満たされる感覚」をはっきり感じていたといいます。
その心地よさは、やがて日常の一部になっていきました。
けれどそれは、価値が薄れていったというよりも、暮らしの中に、自然と溶け込んでいった感覚に近いものだったそうです。
子どもたちの物が広がる日もあります。
それでも、整えた空間を一度知ったからこそ、「きれいな状態で過ごしたい」という意識が、以前よりも自分の中に根づいていることに気づくようになりました。
気が付けば、片付けや料理に向き合う時間も、無理なく暮らしの中に組み込まれています。
お気に入りのバーカウンターで、スパイスからカレーを仕込んだり、晩酌用に軽いおつまみを作ったり。
整えた住まいは、時間とともに色あせるものではなく、暮らし方の基準を、ゆっくりと作っていくものなのかもしれません。
人生観そのものが変わった
以前は家にいると、どこか時間を持て余しているような感覚があったと語る清水。
けれど今はその時間が、「自分と向き合うためのもの」に変わっていったといいます。
住まいを整えたことで、「この暮らしを大切に続けたい」「この住まいに見合う自分でいたい」そんな気持ちが、少しずつ芽生えていきました。
その意識は、働き方や、お金の使い方にも少しずつ影響していきます。
物を増やすことよりも、体験や旅にお金を使いたい。
自分の中に残る時間を、豊かにしたい。
そんな価値観の変化も、住まいを整えたことの延長線上にありました。
「プラダを着た悪魔」や「マイ・インターン」など、“働く女性”を描いた映画が好きだと話す清水。
数年後には、ニューヨークの街を歩いてみたい。
そんな大きな目標も、今の暮らしの延長にある未来として、自然に思い描いているそうです。


住む側になって変わった、仕事の見え方。
川添:「お客さん目線で、話せるようになったと思います。」
図面や数字の話だけではなく、実際に住んでみてどうだったか。
良かったことも、想定と違ったことも、自分の言葉として話せるようになったことが、大きいといいます。
家づくりは、完成した瞬間がゴールではありません。
暮らしが始まり、時間が積み重なっていく中で、初めて見えてくることもある。
だからこそ、「建てたことがない人に相談するより、実際に住んだことのある人に話を聞きたい」
そう感じるお客様の気持ちが、以前よりもよく分かるようになったそうです。
営業としての言葉に、体験という裏付けが加わった。
それは、提案の説得力というより、お客様との距離感を、自然に縮めてくれるものだったのかもしれません。
清水:「発信する側としての視点が変化しました」
これまで扱ってきた「心地よさ」や「豊かさ」という言葉。
それが、どこか抽象的なものだったことに、自分自身が暮らしてみて、初めて気づいたといいます。
夜、間接照明だけをつけて過ごす時間。
一日の終わりに、ふっと気持ちが緩む感覚。
そうした瞬間は、数字や性能では説明しきれないけれど、確かに“暮らしの質”をつくっているもの。
自分が体験したからこそ、それをどう言葉にすれば伝わるのか。
写真の選び方や、文章の温度、一文の余白にまで、意識が向くようになったといいます。
住まいを整えた経験は、営業と広報、それぞれの仕事の中で、“暮らしを見る解像度”を確かに引き上げていました。

暮らしと共に、育っていくもの
川添も、清水も、最初からはっきりとした答えを持っていたわけではありませんでした。
「こんな暮らしができたらいいな」「今のままでいいのかな」
そんな、言葉になりきらない感覚から、住まいと向き合う時間が始まっていきます。
住まいを整えることは、何かを決め切ることでも、理想を固めることでもないのかもしれません。
暮らしの中で、自分が大切にしたい時間や、心地いいと感じる距離感に気づいていくこと。
その延長線上に、住まいのかたちが見えてきます。
「具体的なイメージがなくてもいい。まだ迷っていてもいい。まずは、自分の暮らしに目を向けてみることから始めてほしい。」と二人は語ります。
川添と清水の話が教えてくれたのは、住まいは、完成した瞬間よりも、暮らしの中で使われ、重ねられていく時間の中で、その人自身の基準を育てていくものだということでした。
もし、人生の中で少し立ち止まってしまったら。
「どんな暮らしを続けていきたいか」から、マンションリノベーションを考えてみるのも一つの方法なのかもしれません。
次回のコンテンツは、2/9(月)です。どうぞお楽しみに。

