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2026/08/10

vol.35 当たり前を疑い、その先へ―代表が語る「Think Different」

パーパスとは、会社が何を大切にし、どのような考えのもとで歩んでいくのかを示すもの。

ひかり工務店では、今期から「Think Different」をパーパスに掲げました。

この言葉に込められているのは、ただ人と違うことをしたり、奇抜なものを生み出したりすることではありません。
これまで身につけてきた知識や経験を土台に、当たり前とされていることを少し違う角度から見つめ、より良い答えを考えること。そして、考えるだけで終わらず、新しいことへ挑戦していくこと。

なぜ今、この言葉を掲げたのか。

そこには、事業や組織が広がっていく中でも、ひかり工務店らしい仕事への向き合い方を、変わらず大切にしていきたいという代表の考えがありました。


答えられなかった、一つの問い

きっかけは、各部署のマネージャーやリーダーとともに参加した研修でした。

講師を務めたのは、日本ハムファイターズでコーチを務めた白井一幸氏。研修では、野球の場面を例に、ミスをした選手に対して、監督はどのように関わるべきかという話があったそうです。

大切な試合でエラーをした選手を強く責めれば、「次は絶対に失敗できない」という意識から体が硬くなり、本来の力を発揮できなくなることがあります。

ミスをして一番悔しいのは、選手本人。だからこそ監督に必要なのは、失敗を責め続けることではなく、日頃の努力を認め、次のプレーへ気持ちを向けられるように支えること。そして、次はどうすればよいかを一緒に考え、本人が自ら答えを見つけられるよう促すことだといいます。

「ミスは誰にでもあります。大切なのは、次に力を発揮できる状態へ戻してあげること。その考え方が、とても印象に残りました。」

研修の中で、代表は一つの問いを投げかけられます。

“ひかり工務店の社員が、全員で目指しているものは何か”

スポーツであれば、優勝という共通の目標があり、選手はそれぞれのポジションで自分の役割を果たします。

しかし、ひかり工務店に置き換えたとき、代表はすぐに答えることができませんでした。

ミッションやビジョンはある。それでも、職種や事業の垣根を越えて、全員が同じ方向を向くための共通の軸としては、まだ十分ではないのではないか。

この気づきが、ひかり工務店のパーパスを考える出発点になりました。


事業が変わっても、共有できる考え方を

会社が一つの方向を目指すためには、売上や事業規模など、分かりやすい数字を目標に掲げる方法もあります。

しかし代表は、数字の達成だけを、ひかり工務店全体が目指すものにすることには違和感があったと話します。

現在、ひかり工務店は住宅や建築だけでなく、家具をはじめとする新たな事業にも取り組んでいます。今後さらに事業の領域が広がれば、社員が働く場所や担う役割も変わっていきます。

だからこそ必要なのは、特定の事業や数字に限らず、どのような仕事に携わっていても共通して持てる考え方でした。

「事業や働くフィールドが変わっても、全員が同じ方向を向くためのものが必要だと思いました。フィールドが変わっても変わらない、僕たちらしい軸は何なのかを考えたんです。」

そこで、代表の中に残った言葉が「Think Different」でした。

もともと社内にあった、ひかり工務店らしさ

「Think Different」をパーパスとして掲げるきっかけの一つに、以前、他社の工務店から研修のためにひかり工務店を訪れていた方の言葉がありました。

その方は、ひかり工務店の特徴について尋ねられた際、「ひかり工務店は、どの部署にいても普通であることを、そのまま良しとしない姿勢を感じる。」と答えたといいます。

営業や設計、デザイン、現場では、お客様のご要望や図面をそのまま受け取るのではなく、「よい意味で、期待を裏切りたい」という思いを持って、その先にあるより良い提案や、細部まで美しく仕上げる方法を考える。
企画・広報では、同じ業界の表現をなぞるのではなく、写真や言葉、見せ方を工夫しながら、自分たちらしい伝え方を探していく。

職種は違っても、その根底には「もっと良くできないか」と考える姿勢があります。

「普通のものをそのままつくるのではなく、もう少し良くできないか、面白くできないかと考える。それが、全ての部署から感じられると言ってもらえたんです。それを聞いて、これは僕らの強みなのかもしれないと思いました。」

「Think Different」は、新しく生まれた考え方ではありません。ひかり工務店がこれまで大切にしてきた姿勢を、改めて言葉として表したものです。


基礎があるから、違う視点を形にできる

「Think Different」という言葉だけを聞くと、常識にとらわれず、自由に発想すればよいという印象を受けるかもしれません。

しかし代表が大切にしているのは、新しい発想は、確かな基礎の先にあるということです。

建築の知識がないまま斬新な空間を考えても、実際にどのようにつくり、納めるのかを説明できなければ、住まいとして形にすることはできません。

お客様の要望を別の視点から捉えるためにも、まずは建築の知識や技術を身につけ、目の前の仕事にきちんと向き合うことが必要です。

「普通のものをきちんとつくれる知識がある。その上で、違う考え方や新しい発想を取り入れるから、提案としての価値が生まれるんです。」

基礎を大切にしながら、その先にある、より良い答えを考える。

それが、ひかり工務店の「Think Different」です。

見たものを、自分たちの仕事に置き換える

代表は、日頃からさまざまなものを見て、自分たちの仕事に置き換えて考えることを大切にしていると話します。

旅行先のホテルや店舗を訪れたときには、空間だけでなく、接客やサービスにも目を向ける。良いと感じたものがあれば写真に残し、「ひかり工務店なら、どのように取り入れられるか」と考える。

家具事業も、以前から造作家具やキッチンを家づくりに取り入れたいと考え、さまざまな会社やものづくりの現場を見てきたことから始まりました。

「最初からすべてを考えているわけではありません。色々なものを見たり、話を聞いたりする中で、『これをひかり工務店でやったらどうなるだろう』と考えることが多いんです。」

異なる分野で得た気づきを、自分たちの仕事に生かしていく。そうした積み重ねも、ひかり工務店にとっての「Think Different」の一つです。

挑戦できる環境を、当たり前に

代表は社員にも、自分が関わっている仕事について、より多くのものを見てほしいと話します。
建築に関わる人であれば、実際の建物を見る。写真や映像から、新しい空間や表現を知る。

見たものをそのまま取り入れるのではなく、自分たちならどうすることができるかを考えてみることが大切です。

「どれがうまくいくかは、やってみなければ分かりません。でも、やらなければ何も生まれない。ひかり工務店には、まず挑戦してみることができる環境があると思っています。」

新しいことを挑戦したときに、最初から否定されるのではなく、「もっとやってみたら」と背中を押してもらえる。代表は、その環境が社員一人ひとりの成長や、仕事のやりがいにもつながると考えています。

効率だけを考えれば、方法を統一し、決められた流れに沿って仕事を進める方がよい場面もあります。

それでもひかり工務店は、一人ひとりが考え、自分なりの答えを探すことを大切にしたい。
その積み重ねが、お客様へ届ける住まいやサービスの質にも表れていきます。

代表の言葉から、会社の文化へ

社員数が少なかった頃は、代表が直接伝えることで、その考えを全員に共有することができました。

しかし、社員や事業が増え、働く場所や部署が分かれていけば、代表一人がすべての人に直接言葉を届けることは難しくなります。

だからこそ代表は、「Think Different」を自分一人の言葉ではなく、社員同士で受け継がれるものにしたいと考えています。

代表からマネージャーへ。マネージャーからリーダーへ。そして、日々一緒に働くスタッフへ。

判断に迷ったときに、「今の考え方は、Think Differentにつながっているだろうか」と互いに問いかけられるようになれば、言葉は少しずつ会社の文化になっていきます。

「僕が一人で言い続けても、会社の文化にはなりません。身近で一緒に働く人同士がこの考え方を伝え、次に入ってくる人にも引き継いでいってくれたら嬉しいです。」

よい意味で、期待を裏切ってほしい

今期の終わりに、どのような変化が見られれば、「Think Different」を掲げて良かったと感じるのか。その問いに、代表はこう答えました。

「一つひとつの部署を見たときに、よい意味で僕を裏切ってくれたら、掲げて良かったと思えるかもしれません。」

これまでになかった提案が生まれること。
思わず目を留める住まいが完成すること。
社員の仕事ぶりを見て、「こんなことまでできるようになったのか」と感じること。

全員に同じ答えを求めるのではなく、それぞれが自分の仕事の中で、これまでの期待を一歩越えていく。代表の言う「よい意味で裏切る」とは、そんな姿なのだと思います。

「Think Different」

今回の話を通して見えてきたのは、特別な発想を求めるのではなく、一人ひとりが目の前の仕事と向き合い、より良い答えを考え続ける姿勢でした。その積み重ねは、働く一人ひとりの成長だけでなく、お客様の期待を超えるご提案や、より良い暮らしへとつながっていきます。

事業や組織が広がっても、ひかり工務店らしさの根底にあるのは、目の前の当たり前を疑い、より良い答えを探し続けること。
その姿勢が、これからのひかり工務店をつくっていきます。

次回のコンテンツは8/24(月)です!どうぞお楽しみに。